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STEP1 活動事例を知りたい

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SHIRO Lab. (シローラボ)

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福祉とアートがつむぎ出す新たな可能性

アートの力で障がいのある人も当たり前に地域で暮らせるように、障がいのある人と地元デザイナーがチームを組み、商品開発を行うプロジェクト「SHIRO Lab.」。2017年は「48時間デザインマラソン東北楽天ゴールデンイーグルス編」を開催し、球団の応援グッズを作りました。

※この記事は「協働まちづくりの実践(平成30年3月発行)」と同じ内容を掲載しています。

RELATION MAP
MEMBER

特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン東北事務局
武田 和恵さん
フリーデザイナー
加賀谷 明寛さん
社会福祉法人なのはな会 こまくさ苑
金野 歩未さん
株式会社楽天野球団
松野 秀三さん

力強い線で描かれたジェット風船

2017年SHIRO Lab.「48時間デザインマラソン東北楽天ゴールデンイーグルス編」が始まりました。普段は関わる機会が少ない総勢28人の参加者が、2日間にわたるワークショップを通して将来の可能性を広げていきます。福祉施設こまくさ苑の利用者4人とチームを組んだのは、彼らの描くイラストをもとにグッズをデザインする地元デザイナーの加賀谷さん。傍らでは両者をつないだエイブル・アート・ジャパン東北事務局の武田さんやこまくさ苑支援員の金野さん、そして楽天野球団地域連携・CSR部部長の松野さんらが見守ります。
まずは野球観戦を通して、日常では味わえないスタジアムの熱気をチームでともに体感する交流会が行われました。参加したこまくさ苑の4人は、7回裏の攻撃前、球団歌に合わせてジェット風船を飛ばした時が「楽しかった」と振り返ります。この一番印象に残った光景をスケッチブックに思い思いに描くと、同じ風船でも大きさや角度が異なり、それぞれ個性が現れます。力強い線で描かれた風船が、タオルやトートバックのデザインのもととなり、応援グッズへと変身を遂げるのです。


野球観戦の思い出を描き、商品開発へとつなげたスケッチブックとマジック。

思いがリンクするプロジェクト

武田さんは「学生時代に、障がいのある人の作品の表現力に魅せられた」と活動の原点を話し、「福祉施設は、外部との関わりがほとんどなく、別のジャンルの人と会うことが少ない」と、さまざまな立場の人と交流する機会の必要性を語ります。同じく学生の頃、障がいのある子どもたちと関わった経験があるという加賀谷さんも「仕事をしていると、障がいのある方と交流する機会はあまりありません。デザインのスキルを使って、そうした方々の思いを発信していくことが自分の役割と考えてこのプロジェクトに参加しました」と話します。
金野さんは福祉施設の支援員として、「日常のケアを行いながら、商品化を実現するのは難しい。デザイナーやコーディネーターといった専門の方と連携することで、可能性が広がります」と期待を寄せます。また、松野さんは「もともと障がいのある方とのつながりに興味を持っていたものの、具体的なイメージができず受け身になっていた」と振り返り、「ストーリーや親和性をもとに人に訴えかける商品というのは新しい発想です」と、できあがったグッズに対する印象を話します。
お互いに興味や関心を持っていたとしても、〝きっかけ〞がないとなかなか新しいつながりはできません。その〝きっかけ〞をつくったのがエイブル・アート・ジャパン。さまざまな人々をつなぎ、「SHIRO Lab.」を生み出したのです。武田さんは「このような活動を仙台で定着させることで、企業やデザイナーが福祉の分野と結び付き、新しい仕事がつくり出せれば」と考えています。

新たな出会いと可能性

障がいのある人が持つ芸術の可能性を広げる機会になるこのワークショップ。武田さんは「それぞれの能力を生かしてつながり合えるような場やきっかけを提供していきたいです」と今後の広がりに期待します。加賀谷さんも「こまくさ苑との活動を継続していくことこそ、SHIRO Lab.に参加した意味があるのではないかと思います」と手応えを得ている様子。金野さんは「ワークショップではメンバーの新たな一面を見ることができました」とワークショップでの出会いで見えた新たな可能性に胸を躍らせます。

(取材・文:学生ライター 高梨 茉由子)


ワークショップでは加賀谷さん(右)と一緒に商品デザインを検討。[エイブル・アート・ジャパン提供]


CONTACT

特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン東北事務局
〒980-0804 宮城県仙台市青葉区大町2丁目3-22 第五菊水ビル3階
東北リサーチとアートセンター内/Tel: 070-5328-4208
社会福祉法人なのはな会 こまくさ苑
〒981-0965 仙台市青葉区荒巻神明町2-10
Mail: komakusa-en@nifty.com
Tel: 022-301-2335/FAX: 022-301-2336
株式会社楽天野球団
〒983-0045 仙台市宮城野区宮城野2-11-6
HP: http://www.rakuteneagles.jp/

更新日:2022.01.04