当サイトでは協働によるまちづくりのための支援制度・相談窓口や、活動事例をご紹介します。

メニュー
  • 文字の大きさを変更
  • 小
  • 中
  • 大

STEP1 活動事例を知りたい

ホーム > STEP1 活動事例を知りたい > 関山街道フォーラム協議会

関山街道フォーラム協議会

  • まちづくり
  • 文化・芸術・スポーツ・学術
  • その他
  • 青葉区
  • 町内会・自治会
  • NPO・市民活動団体

関山街道の宝を再発見地元への愛着でつくる活動

仙台-山形間を結ぶ関山街道(国道48号)とJR仙山線は古くから人の交流、物流を支えてきました。これらの歴史、自然、文化などを資源として、地域住民が連携しながら研究や探訪、観光イベントを実施し、魅力を発信しています。

※この記事は「協働まちづくりの実践(平成30年3月発行)」と同じ内容を掲載しています。

RELATION MAP
MEMBER

関山街道フォーラム協議会
平川 新さん
工藤 秀也さん
加藤 栄一さん
秋山 榮作さん
早坂 光子さん
横山 修司さん

 

地域を元気にしたい!という思い

今も昔も、仙台と山形をつなぐ主要な道路の一つである関山街道。この地域は、作並温泉・定義如来といった観光スポットがあるほか、2017年に全線開通80年を迎えたJR仙山線が走る歴史・文化や自然の宝庫です。
こうした関山街道沿いの宝を発見し、発信するために活動しているのが「関山街道フォーラム協議会(以下、協議会)」です。設立は2011年。それまで、関山街道沿線でそれぞれに活動を続けてきた団体が、地域の持つ歴史・文化・自然の魅力を再確認し、「地域の魅力を伝えたい」「地域を元気にしたい」という思いのもとに集まりました。協議会は「土の道」「鉄の道」「広報・編集」の3つの部会で構成され、部会ごとに事業活動・イベントを企画し、広報活動などを協力・連携して実施してきました。
協議会会長の平川さんは「自分たちの暮らす地域に愛着を持ちたい、そのための手掛かりが関山街道にはある」と思いを語ります。

見つけて語る「地域の宝」

協議会は、市民活動団体、観光(作並温泉旅館組合・定義観光協会)、行政(広瀬市民センター)といった多くの団体や個人によって組織されています。その数は、2017年時点で17団体(会員約60人)になります。
活動の一つとして街道の自然や歴史・文化を伝え、関山街道周辺の名所や旧跡を紹介する『関山街道さんぽマップ』を作成しました。しかし、マップには載っていても現地が分かりにくく、実際に訪ね歩くには助けが必要な場所もあります。そこで、現在、藩政時代の遺構など、歴史を伝える看板の設置を行政とともに進めようとしています。鉄の道部会は、仙台から山形までの踏切を訪ね歩き冊子にまとめた経験をもとに、鉄道施設群を土木学会の選奨土木遺産認定につなげる活動を行いました。部会会長の加藤さんは「今まで気が付かなかった地域の宝を見つけることは、次の地域の魅力を探す意欲につながる」と言います。
また、部会の活動とは別に女性会員が中心となって始まった「ぷらっとカフェ」は、地域の魅力や、興味のあるテーマについて語り合うことができる場となっています。これまでに、浴衣を着て定義参りをするイベントや、小麦挽き体験などを企画してきました。一般の方も参加しやすいように体験参加型のイベントとしたことで、さまざまな世代や女性の参加も増え、協議会の活動の幅も広がっています。


ある日の「ぷらっとカフェ」の様子。試食付きの小麦挽き体験後は「新・作並音頭」を披露。

活動の肝は「ゆるやかな連携」

協議会は、活動者同士の情報交換の場にもなっており、地域の活動者のプラットホームのような役割も担っています。
広報・編集部会長の早坂さんは「他団体との連携によって視野が広がった」と話し、「違う立場や視点を持つ他の活動者の意見を聞くことで、自分たちだけでは気が付かなかった問題点にも気付くことができる」と言います。協議会を通じて、団体同士も新しい考えを取り入れながら活動しています。事務局長の横山さんは「それぞれの団体や個人だけでは難しい活動も、みんなで手を取り合い支え合って実現することにつなげていきたい」と話します。地域を盛り上げる団体がつながりを持って、それぞれの活動に生かしたり、一緒に新しい活動を始めたりする取り組みは、この協議会の活動に限らず今後の地域活性化のためのヒントになるかもしれません。

(取材・文:市職員ライター 林 悠太)


各団体の代表による熱のこもったミーティング。


更新日:2021.10.14